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園芸家12か月

引き続き、植物の本ベスト3


2冊目は

園芸家12か月  カレル・チャペック 著 ・小松太郎 訳

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チェコの作家で、有名なカレル・チャペックさんは実は園芸が大好きな人だったようです。

1月の園芸家から始まり、12月まで、1年を通した園芸家の作業や園芸家の心情を
ユーモラスに書いているのですが、もうとにかくその文章が素晴らしいのです。


” 「園芸家にとっては一月という月もけっしてひまではない」と、園芸の本には書いてある。
たしかにそうだ。一月は、天候の手入れをする月だから。天候ってやつは妙なものだ。
ぜったいに順調ということがない。 ”


もう、たまりません!軽妙な語り口で書かれているこの本、一行目から頷かずには
いられないほど、園芸家のことをよく現しています。


” 雪の降り方がすくないと、降りたらんと言って不平をいう。多すぎると、松柏類やバラが
折れなきゃいいがと言って大さわぎをする。

ぜんぜん降らないと、寒害でやられるかもしれんと苦情をいう。
雪どけになると、それにともなってやって来る気ちがい風をのろう。

一月に太陽がさそうものなら、園芸家は、樹液があまりにも早く動き出してはと、
頭をかきむしって気をもむ。 ”


園芸家の心情をよくついています(笑)


この本を読んで、「あー私って、完璧に園芸家だ!」と思ってしまうくらい、
1月から12月までカレル・チャペックさんと同じような事で不平を言ったり、気をもんだり
いそいそしたり、しております(笑)

園芸にはまってしまった人にぜひ読んでもらいたい1冊です。

何度も笑っちゃうし、頷きっぱなし。。。

笑いも「イヒヒ。。。」って感じの笑いです(笑)

そして、最後には自分の事がちょっと好きになっているはず。


しばらく読んでいなかったので、だいぶ内容を忘れていたのですが
改めて読み返してみましたら、

「私か!?」という場面があまりにも多すぎて、お腹が痛くなりました(笑)

今まで、このどうしようもない園芸に対する自分の性格をどうしたものか。。。と
ちょっと持て余し気味だったのですが、これは仕方がないんだな。と思えます(笑)


” われわれ園芸家は未来に生きているのだ。バラが咲くと、来年はもっときれいに
咲くだろうと考える。10年たったら、この小さなトウヒが1本の木になるだろう、と。

早くこの10年がたってくれたら!50年後にはこのシラカンバがどんなになるか、見たい。

本物、いちばん肝心のものは、わたしたちの未来にある。

新しい年を迎えるごとに高さとうつくしさがましていく。ありがたいことに、わたたちは
また一年歳をとる。 ”

最後の「園芸家の生涯について」で、カレル・チャペックさんはこう締めくくっています。


この本、挿絵も超可愛いです。

カレル・チャペックさんのお兄さんの絵だそう。

ユーモアいっぱいの、愛すべき園芸家のための本だと思います。


そして、お客様たちには この本をぜひ読んでいただいて、私という人間について
知ってもらえたらとも思います(笑)
by solaogplanta | 2014-12-21 10:43 | 本と映画

お店のお庭で育てているハーブやお花についてや家庭菜園のことなど


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