ノルウェー留学の話③
2017年 02月 23日
ですが、なぜ辞めないで、卒業まで出来たのかと言いますと、
私の親友の手紙があったからです。
初日の出来事はその日、自分の部屋に戻ってから、泣きながら日本にいる親友に
手紙で切々と訴えました。こんなにひどいことがあった。信じられない!
とっても冷たい。意地悪だ。。。。
そうして、親友から来る手紙を首を長くして待ちました。
きっと、一緒にこの辛さを受け止めて、酷いね!大変だったね!と悲しんでくれるに
違いない。そうしたらちょっとは私の気持ちも晴れるかもと思っていました。
待ちに待った手紙は「覚えてる?孫(ソン)さんの事。」で始まっていました。
私はこの名前を見るまですっかり忘れていました。
そう、孫さんは私たちがいた専門学校の留学生で、クラスメイトでした。
名前を聞いて確かに覚えています。2年間一緒のクラスで勉強したのに、
私は話しかけるどころか、挨拶さえもしたことがなかったのです。
きっと、慣れない日本の生活に苦労していたに違いありません。
学校のスケジュールやイベントも分からない事ばかりだったと思います。
私は当時、好きな男の子にどうやったら誘ってもらえるかとか、割のいいバイトは
どこかとか、バンドの追っかけとか、そんなことばかりに夢中になっていて、
私の眼には孫さんの存在はまったく見えていなかったのです。
「きっと、孫さんも今のケイコみたいな気持ちだったんだろうね。」
この文書を見て、私の涙は引っ込みました。
ノルウェー人のクラスメイト達への気持ちも変わりました。
こんな事を言ってくれた親友に今でも本当に感謝しています(笑)
そういうことだ。私は自分が来たくてここに来たけれど、彼らも彼らの目的があって
この学校に来ていて、私の困っていることを心配したり助けてくれるためじゃない。
それから、自分の中で、無視されても、何でもいい、とりあえず挨拶だけは
笑顔で自分からしよう。
英語ではなく、早くノルウェー語を覚えて、ノルウェー語で話そう。と決めました。


つづく
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