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スペインに住むことになった理由②

マリッサの住むアパートはバスターミナルから地下鉄を乗り継いで、

マドリードの中心地にありました。

お邪魔すると、広くてヨーロッパの建物らしい天井の高い雰囲気の良いアパートメントでした。

そのアパートメントを5人の男女でシェアしていて、リヴィング、キッチン、

バスルーム2つ、それぞれが個室を持っていて、

家賃が一人当時の価格で、月3万円というお安さに驚きました。

早朝に到着し、寝ているルームメイトたちを起こしながら、私を紹介し終えると、

マリッサはバイトへ出かけていきました。

見ず知らずの私を家に招いてくれたマリッサも相当良い人ですが、

後のお世話を引き受けてくれたフランス人のイザベラもまた良い人で、

朝食にしましょう!と甲斐甲斐しくトーストや飲み物を用意してくれ、

一緒にご飯を食べました。

この二人の感じの良さとアパートメントのステキさで、荷物だけと思っていた心は

早くも撤回され、1日泊めてもらおうという気持ちに変わっていました。


「ケイコ、今日の予定は?」と聞かれ、ちょっと行ってみたいところがあるので

行ってくるわ。とアパートメントを出ました。

マドリードで、日本のチケットを買う用事の他、行ってみたいところがありました。

もちろん、プラド美術館も目的でしたが、もう1件、デッサンの学校でした。

日本から持ってきていた本にヨーロッパの様々な学校が載っていて、マドリードには

デッサンの学校が紹介されていました。せっかくなのでどんな学校なのか見て見たかった
のです。

ノルウェーでは成り行きで選択した美術のクラスで、油絵をやるようになって、

すっかり絵を描くことに夢中になっていました。もっと本格的に学びたかった。

という気持ちもあって、いつか、また留学となった時の参考のためにも、その学校へ

行ってみたかったのです。

ガイドブックも地図も持っていません。プラサデマイヨールにあるという事だけ

分かっていたので、道を歩いている人にプラサデマイヨールに行きたいのですが。と

尋ねながら行きましたが、皆さん親切な人ばかりで、立ち止まって一生懸命に説明してくれる人

途中まで一緒に案内してくれる人、丁度通勤時間帯だったと思うのですが、

誰一人忙しいので。と断る人はいなくて、全員がニッコニコの笑顔で答えてくれるのが

印象的でした。

女の子一人で行くもんじゃない。とバックパッカーたちが言っていたことが嘘の様でした。

10数人の人に道案内をしてもらいながら、30分かけて学校にたどり着けたときは
嬉しかったです。

思っていたよりこじんまりとした学校で、2クラスの教室ではすでに生徒たちが思い思いに

デッサンをしている様子が見られ、ヨーロッパの美術学校という雰囲気に

ドキドキしました。

せっかくここまで来たのですから、何か記念に学校のパンフレットでもいただけない

ものかしら。と思い、勇気を振り絞って、受付へ行きました。

何と言ってパンフレットをもらえばいいか考えたのですが、英語もスペイン語も

上手く話せなかったので、「勉強したいです」と、英語で行ってみましたら、

受付のおばちゃんが、「そう?いつから?」と聞くので、年度によってパンフレットも

違うのか。。。と次の文章を考えていると、

「じゃあ7月からにする?」と言ったので、思わず嬉しくなってしまって、

「はい!」と答えてしまったので、

7月から、このデッサンの学校に通うことになってしまいました(笑)


ノルウェーの留学は1年以上もかけて様々な書類を取り寄せ、送金して、ビザを取り、

国際電話でやり取りし、やっと入学したのに、

スペインの学校は6月20日の朝にバスでやってきて、その3時間後には学校に
通えることになってしまいました。

これには予想外でびっくりでした。

英文の卒業証明書も、ビザも、口座の残高証明書もいらないなんて、
スペインの国って、なんなのー!と思いました(笑)

月々の授業料が1~2万くらいだったと思います。これなら安いユースホステルに

宿泊しながら3カ月くらいは通えるな。と頭の中でソロバンをはじきました。


その日、アパートメントに戻り、皆に「学校に行くことになったから、スペインに

住むことにしたから!」と言ったら、

その場にいた5人が驚く風でもなく、「そう?じゃあアパート探さなきゃね」

「あそこのアパートメントはどうかしら?あの子引っ越ししたって言ってなかった?」

「じゃあ、あそこは?あそこ一部屋空いたんじゃないかしら?」

「ちょっと行ってみよう!」「そうだね。そうしよう!」と

あれよあれよという間に皆で歩いて3分ほどの別のアパートメントへ出かけ、

住人に確認すると、丁度部屋が1室空いてること、大家さんの連絡先も聞き、

翌日、卒業試験真っ只中のマリッサの代わりにイザベラが大家さんにアポイントを取り、

試験の合間に戻ってきたマリッサが私と一緒に大家さんの面接に行って、

話せない私の代わりに話を付けてくれ、その日の夕方には新しいアパートメントに

引っ越すことになりました。


スペインに着いて、たった2日で、学校に通うことになり、友達も出来、

アパートメントまで決まってしまい、スペインにしばらく滞在することになっていました。

スペインにやってきた時、私の所持金は30万円と着替えの入ったリュック1つでした。


ノルウェーにいた時、こんな事になるなんて思ってもいませんでした(笑)


この日、リュックを持って、新しいアパートメントにやってきた時、

ノルウェーでの寮の事が心に引っかかっていて、ちょっぴり不安でした。

スペイン語は全く分からないし、英語だってそんなに話せません。

皆と上手くやろうと気を使いたくても、言葉が話せないと、気を使えないという事を

嫌というほど味わってきたのです。


新しいアパートメントの住人はギリシャ人の男の子、レバノン人の女の子、

モロッコ人の男の子、

この日、居間には全員が集まって、私を迎えてくれました。

マドリードは来たばかりという私に、地下鉄の乗り放題のパスを買うと良いことや、

語学学校はここが良い、近くのスーパーはどこだ、野菜を買うならこの市場、

可愛い服はやっぱりここが一番。(ちなみに、ZARA)と、

まだ困る前から、様々な情報を教えてくれました。

このみんなの態度にすっかり安心して、ノルウェーの初日の話をしました。

その話を静かに聞いたルームメイトたちは 「ケイコは何にも悪くなかったよ」と、

一言言いました。

そうかー私悪くなかったんだー。と心の底から嬉しくなって、

自分の部屋に戻りました。


あんなに安堵して寝たのは海外に来て以来初めてでした。




プラサデマイヨール

スペインに住むことになった理由②_a0292194_141212.jpg


プラサデマイヨールがマイヨール広場ということを後から知りました(笑)


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お祭りとかもよくここで見ました。






by solaogplanta | 2017-02-27 00:37 | スペイン

お店のお庭で育てているハーブやお花についてや家庭菜園のことなど


by solaogplanta
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