バラの鉢植え栽培ヒストリー
2017年 06月 06日
1本目は失敗しながら練習する気持ちでやってみましょうよ。と言います。
私も店を手伝い始めの時はバラのバの字も分からないほどの初心者で、
何をどうしたらよいのかも分かりませんでした。
バラを買いに来るセミプロのお客様にイングリッシュローズは比較的寒さに弱いので、
まだハウスに入れておいた方が良いのではないでしょうか?などと
反対にアドバイスを受けながら販売しておりました(汗)
数年して、自分で店を始める段階になりまして、これではいけないと思い、
自分でバラを栽培してみることにしました。
一番初めに自分で選んで植えたバラはイングリッシュローズのグラハムトーマスでした。
庭に植えると目が届かなくなるので、鉢植えにすることにしました。
バラは病気と虫がついて大変なのだろう。と覚悟していましたが、
虫も付きませんし、病気にもならずに元気で、拍子抜けしました。
冬になり、イングリッシュローズは寒さに弱いのでという言葉を思い出し、
鉢を室内にいれましたら、ヒョロヒョロした新芽がどんどん出てきて、真っ白な粉が
ふきます。うどん粉病です。
薬をかけても、かけてもすぐに真っ白になります。そのうち、どこにいたのか分かりませんが
アブラムシだらけになりました。
室内栽培の難しさを痛感しました。
もったいないですが、新芽を切って、早く春になって外に出せますようにと祈りました。
待ちに待った春になったので、一回り大きな鉢に植えかえましたら、すぐに元気な
新芽が伸びて、急に大きな株に成長しました。
日当たりのよい南向きのお庭に置いて、毎日たっぷり水やりしているだけで
どんどん大きくなりました。
初夏には蕾がびっちりついて、黄色い大きなお花が次々咲きました。
イングリッシュローズの見事な花付きには本当に感心してしまいます。
初夏に大輪のお花がバンバン咲き、夏にも咲き、秋になっても咲き、
雪が降っている中でも咲きます。
いっぱい咲いて欲しいと願うより、咲きすぎて寿命を縮めてしまうのではないかと
心配するほどの花付きです。
2年目からは伸びた枝の剪定作業が始まりました。
3枚葉の下、5枚葉の上で切る。と本に書いてありますが、
その通りに剪定していると、まったく剪定したことになりません(汗)
もう少し切ってみよう。ここで切るとどうなるだろうか?と
剪定の練習をするようになりました。
元気でどんどん新しい枝が伸びてきますので、練習し放題でした。
そのうち、剪定した枝のすぐ下の節目から新芽が伸びてくることに気が付きました。
バラは節目に葉っぱが互い違いについています。
外側にある葉の上で剪定すると、外側に新芽が出ます。
内側の葉の上で剪定すると内側に新芽が伸びてきて、伸びてきた枝が内側でぶつかり合って
葉が痛みます。傷んだところからうどん粉が発生したり、黒点病が発生したりします。
内側は混みあわないで、外側に新芽を出した方がきれいに広がるんだという事が
分かりました。
切れば切るほど、バラが思い通りになっていき、
バラの栽培が面白くなってきました。
毎年、毎年、一回り大きな鉢に植え替えると、一段と大きくなり、
お花も大きく、花びらの数も増え、花付きも良くなり、長く楽しめるように
なりました。
ご来店のお客様方からも「あの黄色いバラはなんですか?」と聞かれたりするように
なりました。
2年目からは冬も外に出しっぱなしで冬越し出来るようになりました。
全く手がかからず、薬もほとんどかけず(1年に1回くらい)
バラほど手がかからない植物は無いのでは?と思うほどでした。
数年たち、株も見事になりましたが、もう植え替える鉢が無くなってしまいました。
仕方ないので大きいサイズのまま、植え替え出来ずに数年たちました。
1年目はそんなに問題なさそうでした。
2年目になると、明らかに花付きが悪くなりました。
3年目になると、ちょっとアブラムシやうどん粉病が発生して、せっかくの蕾が
きれいに咲かなかったりしました。
4年目の春、冬の間に降った雪の重みで太い枝が折れていました。
折れなかった枝も枯れこんでいたりして、全盛期の3分の1程度の大きさに
なってしまいました。
だったら、減鉢して、養生してあげようかと思いつつ、忙しさでそのままに
なってしまいました。
翌年の春、もう新芽は出ませんでした。
鉢植えの場合は植え替え出来なくなってから3年くらいが限界で、
後はどんどん悪くなってしまうようです。
有名なバラの栽培家の方も、初めの3年は鉢植えで楽しんで、その後はお庭に植えると
おっしゃっていました。
お庭の無い方で、バラを鉢植えで栽培されている方もいらっしゃいますが、
庭植えよりも寿命は短くなります。
元気なうちは鉢植えでも冬越しできますが、弱ってくると冬に痛んで
死んでしまう事も多いです。
それは仕方がないことなので。。。
元気だったころのグラハムトーマス
バラの鉢植え栽培は意外に簡単にできます。
日当たりの良い場所に移動したりできますし、庭栽培より虫や病気のケアも楽に
出来るきがします。
さすがにつるバラの鉢植え栽培は厳しいですが、コンパクトなバラを選んで
頂けば、初心者の方でも挑戦しやすいと思います。
特に、丈夫で、花付きの良いイングリッシュローズは鉢植え栽培にも
おすすめします。
ただ、寿命的には庭植えよりは短くなってしまいます。
2代目の鉢植え栽培のバラ、フレンチローズのスヴニールドゥルイアマード
全盛期の頃はこんなブリブリのお花でした。(2011年)
鉢を植え替えられなくなってきた最近はこんな感じです。(2015年)
でもまだ頑張ってます。。。
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